PTSは拡大するのか

オンライン証券会社独自のシステムを運営している

証券会社は、取引内容の電子処理システムを利用して、複数の取引注文を同時に取り次ぐ事が許可されています。
このように、証券会社が設営している証券取引のシステムを、私設取引システム(Proprietary Trading System/PTS)といいます。

証券取引所の立ち会い時間の範囲外で株式取引をしたいという潜在ニーズを捉えるべく、日本でも2008年10月末の時点で、マネックス証券など15社でPTS業務が行われています。
他には、債券のPTSもあります。
また、PTS業務は金融庁の認可を要します。

日本の市場では、取引所に集中させるという義務がすでに廃止されており、売買手数料の完全自由化が実現しています。
この事から、証券会社が開設したコンピュータ・ネットワーク上に存在するPTSでの証券取引が急速に拡大する条件は整っています。

1960年代にPTSが導入されたアメリカでは、証券取引の仲介方法として、電子証券取引ネットワーク(ECN)がその地位を確立しました。
近年では、競争力を強化するため、それまでの証券取引所とPTSなどが融合する動向がみられます。
例を挙げると、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とアーキペラゴの合併・NASDAQによるインスティネットの買収があります。

価格決定方式の自由化に伴いオークション方式を導入する会社も表れた

PTSで証券価格を決定する方法は、以下の方法が認められています。

○市場価格によって決定する
○顧客同士での交渉によって決定する
○顧客の指値によって決定する(顧客注文対当方式)
○マーケットメーカーという位置づけで証券会社が気配値を提示し、それを確認した顧客が注文する(売買気配提示方式)
○競争売買(オークション)によって決定する(価格決定方式)

PTSを行う業者は、公正取引確保の観点から、価格情報などを比較できる状態で、ただちに外部へ公表しなければいけません。

日本では、当初は機関投資家を対象とした債券取引がメインのPTSが開設された経緯があります。
その後、同様のシステムを利用して、マネックス証券によるマネックスナイター・松井証券による夜市など、個人投資家を主な相手とする、夜間の株式取引を扱うインターネット証券会社が現われました。
これらのPTS取引の価格はマーケット・メーク方式だとか取引所の終値であり、PTSでの取引では株価の変動がないという方式となっています。

しかし、この取引価格決定方式は、PTS市場を拡大させる上での障害になるという批判が出ました。
そのため、2005年に、PTSでのオークション方式が認められるようになりました。
現在では、カブドットコム証券によるPTSで、オークション方式が採用されています。

2007年までの7年4ヶ月間、PTSによる上場株式は、全国各地の証券取引所の0.1%に当たる約3.3兆円分が取引されました。
株数でいうと、35億9000万株に上ります。
中でも、2007年には取引代金が全体の0.23%にまで上昇するなど、PTSを通じた株式取引は、日本の投資家間で相当浸透しているといえるでしょう。

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