日本とアメリカの証券規制および証券監視委員会

公正な証券市場を維持するべく監視・監督を行う日本の組織

証券市場の規制は、公正・効率的かつ高い透明性をもつ、理想的な市場を現実のものとするために設けられています。
また、投資家を保護する目的も追加される事があります。
日本の市場は、証券取引の場である各証券取引所・証券取引等監視委員会・金融庁が監視を行っています。

金融庁下の組織である監視委員会は、投資家・企業・証券会社といった関係者による市場規則の遵守の状況や、市場での適正価格の形成状況を監視しています。
1992年に発足して以来、インサイダー取引・損失補填など違法行為の調査・告発といった実績を上げています。

金融庁は、国際証券監督者機構(IOSCO)にも関わっています。
IOSCOは、世界各国の証券市場規制当局を中心に結成された国際機関です。
各企業が、海外の資本市場において円滑な資金調達などを行なえるよう、国際的な環境整備を目的としています。

アメリカの証券規制には古い歴史がある

監視委員会は、アメリカの証券取引委員会(Securities and Exchange Commission/SEC)を参考に創設されました。
SECが創設された背景・根拠は、1933年証券法・1934年証券取引所法の成立が関係しています。

1929年に、世界恐慌のきっかけとなる、ニューヨーク市場の株価暴落が起こりました。
投資家は多大な損害を被り、市場への信頼を失くしました。

その後、当局による株価暴落の調査の結果、株式市場における制度の不備や、不備を悪用した多数の不正行為が発覚しました。
過剰な信用取引への依存・盛んな空売り・相場の操作・インサイダー取引・商業銀行による大規模な証券担保の貸し付け・証券取引に関わる巨額の脱税などが、続々と明らかになったのです。

これにより、州法や証券業界の自主規制だけでは、十分な証券取引規制ができないという認識が広がりました。
そして、連邦ベースとなる規制が設けられました。
この規制が、1933年証券法です。

1934年には、流通市場の不公正な慣習を規制する目的で、1934年証券取引所法が設けられました。
その後も、これらの基本立法に続き、投資家保護と不正・証券詐欺行為の防止のために、証券取引関連の連邦法改正などが行われました。

投資家を保護するため、さらなる内部統制強化ヘ

アメリカの証券規制は、さらなる強化へ向かっています。
エンロン事件・ワールドコム事件を機に、投資家の保護・健全な金融資本市場形成の推進を目的とする、SOX法が設けられました。
SOX法では、不正会計などによる投資家への被害を避けるため、上場企業に対して以下のような規定を設けています。

○監査人に独立性を持たせる
○財務ディスクロージャーを拡張する
○内部統制を義務付ける
○経営者の不正行為に対する罰則の強化
○証券アナリストなどの規制
○内部告発者を保護する

日本もこれに倣い、2007年に施行された金融商品取引法の中で、アメリカのSOX法第4章に似た制度の枠組みを規定しています。
この規定は、日本版SOXもしくはJ-SOXと称されています。

J-SOXは、経営者が作成した内部統制の評価・報告のための内部統制報告書を、内閣総理大臣に提出するよう求めています。
報告書は、公認会計士もしくは監査法人による監査証明の義務が規定されています。
これを内部統制監査といいます。

J-SOXとは別に、監査役を設置している大手企業に対し、内部統制に関する取締役会の決定を義務付ける事を、会社法で規定しています。
この内部統制とは、企業などの組織内で、適正な業務を行うための規則を設け、その規則に基づいて組織内の従業員が業務を行なうプロセスを差します。

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