情報の開示・自己責任の原則

情報が開示される事で、自己責任の原則が成立する

株式投資における自己責任の原則は、企業経営内容関係で開示(ディスクローズ)された情報に基づく投資決定と、結果は自己責任として受け入れるという意味があります。

例を挙げると、投資家が想定していなかった企業年金積立金不足・退職給付債務の計上に関係する情報は、株価に多大な影響を及ぼす事もあり得ます。
人件費の増加により、税引き後の利益が続けて目減りしてしまい、将来的な企業のキャッシュフローは根本的に変わってしまうためです。

投資家に対して自己責任の原則を要求するためには、年金債務関連の情報を開示する事が前提です。
会計基準の変更に伴い、年金を含む退職給付債務関連の情報開示が充実したのは、株式投資家に対して自己責任の原則を要求する流れに即したといえるでしょう。
当然ながら、情報の開示が必要とされているのは、年金債務関連に限りません。

積極的なIR活用による経営戦略を取り入れる企業も増加中

財政状況など投資の判断に要する情報について、企業が株主・投資家に提供する活動全般の事を、IR(Investor Relations/投資家向け広報)といいます。
上場している企業は、IR活動のために、IR専用ホームページを開設しています。

上場企業の中には、対象を投資家に限定せず、円滑な経営を行なうための情報開示・IR活動を活用する企業もあります。
これらの企業は、決算説明会での経営者による説明内容や、説明に対するアナリストの評価などを、企業内部に開示しています。
これにより、経営トップが株式市場に開示した経営計画の実現を、企業全体が意識するようになると期待されます。
さらに、取り組みに対する市場での評価を意識するようになるとも期待されます。
これらは、経営計画を実現させる要因となるのです。

IR対象を株主・投資家・企業内に限定せず、顧客・地域社会なども含め、経営の方針・活動の成果を開示する事例もあります。
企業は、IR活動を通じて自社の活動に対する周囲からの理解を深め、互いの信頼関係を強めます。
そして、市場における企業価値を正しく評価してもらう事が可能になります。

情報の開示に対するニーズは治まらない

近年注目を集めている考え方としては、社会的責任投資(Socially Responsible lnvesting/SRI)が挙げられます。
社会的な責任を果たしている企業を選別し、投資するというこのアプローチ方法は、今や国内に限らず海外の投資家層にも幅広く受け入れられている方法です。

こうした事情から、社会的な責任を果たすためには、どのような方針・行動を取っているかという情報を、上場企業などが投資家・顧客・地域社会に対して積極的に開示する事が重要です。
理由は、投資家がその企業に対する正しい価値・存在意義を判断するためです。

この考え方から、上場企業による情報の開示に対するニーズは、治まる事はないと予想できます。
情報の収集・加工・開示にかかるコストは、決して低くありません。
結局、それらのコストは、株主の負担となります。
この事から、当然ながら法律上の規定を満たすにしても、今後の一線を超える開示については、株主自らある程度歯止めをかけるという考え方が求められるでしょう。

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